早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 電子物理システム学科 バイオマイクロシステム 森本雄矢研究室

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論文紹介-バイオロボット・システム

舌様バイオアクチュエータ

Jointless tongue-Like bioactuator for multidirectional motion through directional electrical stimulation

Xuankai Gao, Kouhei Okasaki, Hirono Ohashi, Takeshi Sakurai, Yuya Morimoto
Advanced Intelligent Systems, vol. 8 (4), e202501213, 2026

舌様バイオアクチュエータ
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ヒトの舌の複雑な筋肉構造に学んだ、人工骨格を一切持たない「関節のないバイオアクチュエータ」を開発しました。垂直と水平方向に配向した培養骨格筋組織を直交させて積層し、筋肉の電気刺激に対する異方的な応答性を利用しています。刺激の向きや強さを精密に制御することで、水平刺激では側方圧縮、垂直刺激では直線的収縮を伴う大きな揺動といった多方向の複雑な運動を実現しました。軌道解析により、刺激条件の調整だけで多軸運動を制御できることが実証されました。筋肉組織のみで構成された本デバイスは、生体に近い高自由度なバイオハイブリッドロボットの実現に繋がる革新的な成果です。

舌様バイオアクチュエータ

眼球模倣バイオロボット

Multipole electrodes for driving biohybrid robots via selective muscle contraction

Yuya Morimoto, Hirone Yamada, Byeongwook Jo, Minghao Nie, Shoji Takeuchi
Sensors and Actuators B: Chemical, vol. 448 (2), 138924, 2026

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4つの培養骨格筋組織と新開発の多極電極によってロボット内の個別組織の選択的刺激が可能になりました。この技術により、4つの筋肉を個別に制御して中央の浮遊パーツを2自由度で傾斜させ、さらに順次刺激を行うことで楕円軌道を描くような複雑な多方向運動を実現しました。本成果は、バイオロボットの自由度と機能的複雑さを向上させる画期的な手法として期待されます。

バイオハンドロボット

Biohybrid hand actuated by multiple human muscle tissues

Xinzhu Ren, Yuya Morimoto, Shoji Takeuchi
Science Robotics, vol. 10 (99), adr5512, 2025

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ヒト骨格筋組織を束ねた高出力アクチュエータ「MuMuTA」を用い、多関節指を持つ全長18cmのバイオハイブリッドハンドを開発しました。MuMuTAは薄い組織を集合させる独自の構造により、内部壊死を抑えつつ大きな収縮力(約8mN)と収縮量(約4mm)を実現しています。この力をワイヤ駆動機構で伝達し、5本の指の独立制御やチョキのポーズ、物体の操作に成功しました。従来の小型で単純なバイオロボットの限界を超え、大型かつ複雑な生体機械の構築を可能にする成果です。将来的に創薬モデルや高度な義手への応用が期待されます。

二足歩行バイオロボット

Biohybrid bipedal robot powered by skeletal muscle tissue

Ryuki Kinjo, Yuya Morimoto, Byeongwook Jo, Shoji Takeuchi
Matter, vol. 7 (3), pp. 948-962, 2024

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ヒト培養骨格筋組織を駆動源とする二足歩行バイオハイブリッドロボットを開発しました。水中での直立姿勢を保つフロート、重り付きの脚、柔軟基板で構成され、筋肉の収縮で片脚を浮かせ、重力と基板の復元力を利用して一歩前進する仕組みです。電気刺激により左右の脚を個別に制御することで、従来のロボットより格段に小回りの利く精密な旋回(旋回指標2.1)や、自在な前進・停止に成功しました。この成果は、生体の複雑な歩行メカニズムの解明や、高度なソフトロボット、さらには薬効評価などの動的な疾患モデルへの応用が期待されます。

空気中で駆動可能なバイオロボット

Biohybrid robot with skeletal muscle tissue covered with a collagen structure for moving in air

Yuya Morimoto, Hiroaki Onoe, Shoji Takeuchi
APL Bioengineering, vol. 4 (2), 026101, 2020

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培養骨格筋組織を駆動源とするバイオハイブリッドロボットを、空気中で動作させる手法を開発しました。従来のロボットは空気中では組織が乾燥し損傷するため水中動作に限定されていましたが、本研究では筋肉を培養液と共にコラーゲン構造体で包み、湿度を維持する中空構造を構築しました。これにより、空気中でも生存率と収縮力を保ちながら組織を収縮させ、ビーズの操作(押し出し)などに成功しました。さらに、内部に管を配置し培養液を循環させることで、組織の乾燥を防ぎ1時間の連続駆動も実現しています。表面への細胞層形成も可能で、陸上生物に近い高機能バイオロボットの実現に繋がる成果です。

拮抗筋付きバイオロボット

Biohybrid robot powered by an antagonistic pair of skeletal muscle tissues

Yuya Morimoto, Hiroaki Onoe, Shoji Takeuchi
Science Robotics, vol. 3, pp. eaat4440, 2018

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培養骨格筋組織を駆動源とするロボットの課題である、組織自身の張力がもたらす短縮による短寿命化を解決するため、生体構造を模倣した拮抗筋構造を持つバイオハイブリッドロボットを開発しました。対になる筋肉の張力をバランスさせることで組織の過度な短縮を防ぎ、従来の数日から約1週間の長期駆動を実現しています。また、各筋肉を選択的に収縮させることで、関節の大きな双方向回転(約90度)が可能になり、ヒトの指のように繊細な物体の操作(持ち上げ&持ち下げ)に成功しました。この成果は、バイオロボットの寿命と可動域の制限を克服し、より複雑な動作を行う生体機械の実現に大きく貢献するものです。