早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 電子物理システム学科 バイオマイクロシステム 森本雄矢研究室

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論文紹介-生体模倣システム

実環境皮膚評価システム

Open-air human skin equivalent platform enabling photobiological studies and topical product testing

Suzuha Asano, Yuya Morimoto
Biofabrication, vol. 18 (3), 035026, 2026

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クリーンルーム外でもメラノサイトを含むヒト培養皮膚(HSE)の維持・評価が可能な「オープンエア培養プラットフォーム」を開発しました。表皮の角質層のみを外部に露出させ、他部位をナイロンシートやゴム製サポートで密閉・保護する独自の構造により、無菌状態を保ちながら皮膚本来のバリア機能を活用できます。実証実験では、日光や風がある実環境下での日焼け反応の観察や、市販の日焼け止めの効果測定に成功し、メラニン蓄積などの定量的評価を可能にしました。本装置は、化粧品や医薬品の安全性・有効性試験をより現実的な環境で行うための画期的なツールであり、従来モデルの制限を克服する成果です。

負荷制御筋トレシステム

Load-programmable training platform for load-response characterization of engineered skeletal muscle tissue

Ryo Mitsui, Xuankai Gao, Yuya Morimoto
Biofabrication, vol. 18 (2), 025043, 2026

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培養ヒト骨格筋組織に対し、電磁石を用いた負荷制御型トレーニングプラットフォームを開発しました。外部の電磁石と組織末端の永久磁石の磁気相互作用を利用し、非接触かつ動的に負荷を調整する仕組みです。変位センサを用いたクローズドループ制御により、収縮中の負荷を精密に管理し、生体に近い等張性収縮を再現しました。3日間の訓練の結果、適度な負荷(0.6〜0.8 mN)でのトレーニングが筋組織の収縮力向上と代謝の成熟を促進することを確認しました。物理的な重りの交換が不要で、運動強度が筋肉に与える影響を細胞レベルで定量評価できる本システムは、リハビリ法開発や創薬研究への応用が期待されます。

ダンベル筋トレシステム

Dynamic and static workout of in vitro skeletal muscle tissue through a weight training device

(* equal contribution) Byeongwook Jo*, Kentaro Motoi*, Yuya Morimoto, Shoji Takeuchi
Advanced Healthcare Materials, vol. 20 (32), 2401844, 2024

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ヒト培養骨格筋組織に対し、物理的な重りを用いて動的負荷をかけるウェイトトレーニング・システムを開発しました。柔軟なリボンを介して重りを接続し、電気刺激で垂直に持ち上げる仕組みにより、筋長を変化させる「等張性」と筋長を変えない「等尺性」の訓練が可能です。5日間の訓練の結果、等張性トレーニングでは収縮力が151%、筋線維径が20%向上し、組織の成熟が促進されました。代謝面でもグルコース消費量と乳酸産生量が増加し、生体に近い運動代謝を再現しました。本システムは運動の種類や強度が筋肉に与える影響を細胞レベルで定量評価でき、リハビリ法開発や創薬研究への応用が期待されます。

筋組織-血管壁システム

Microfluidic system for applying shear flow to endothelial cells on culture insert with collagen vitrigel membrane

Yuya Morimoto, Shogo Nagata, Miki Matsumoto, Keisuke Sugahara, Shigenori Miura, Shoji Takeuchi
Sensors and Actuators B: Chemical, vol. 348, 130675, 2021

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本研究では、血管壁の構造と力学環境を再現するため、コラーゲン・ビトリゲル膜を用いたマイクロ流体システムを開発しました。市販のカルチャーインサートを組み込めるデバイスにより、膜底面の血管内皮細胞へ血流のようなせん断応力を直接負荷できます。流体タンクの導入で気泡除去と拍動流制御を担い、安定した培養環境を実現しました。実験では流体刺激による細胞の流れ方向への配向を確認し、膜の反対側に筋細胞を配した共培養モデルでは、内皮細胞が流れに沿い、筋細胞が垂直に並ぶ血管壁特有の組織構造の再現に成功しました。本装置は薬物透過性試験や生理学的解析の有用なツールとなります。

心筋薬剤評価システム

Human induced pluripotent stem cell-derived fiber-shaped cardiac tissue on a chip

Yuya Morimoto, Saori Mori, Fusako Sakai, Shoji Takeuchi
Lab on a Chip, vol. 16, pp. 2295-2301, 2016

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ヒトiPS細胞由来の心筋細胞(hiPS-CM)を用いた、繊維状の三次元組織構築手法を開発しました。PDMSスタンプを用いてハイドロゲル組織を細い繊維状に成形することで、細胞を繊維方向に高度に配向させ、効率的な収縮運動を実現しています。従来の2D培養に比べ、3D構造化により細胞間相互作用を強化しつつ、組織を細く保つことで内部壊死を防ぎつつ成熟を促進しました。カンチレバー一体型基板により収縮力を精密に測定でき、薬物(イソプロテレノール等)に対する拍動頻度や力の変化を定量評価することに成功しました。本システムは、創薬研究や副作用試験における有用なツールとして期待されます。